いわば弁明の書:野村謙二郎「変わるしかなかった」

言うまでもなく,退任したばかりの監督がその5年間の治世を赤裸々に記した本ということで,ずいぶん評判らしい。AmazonのReviewもことごとく5つ星である。これだけ見ると,さぞかし立派なことが書いてあるのだろうと思われる向きも多いようで,現にかなり売れているらしい。故宮脇俊三氏曰く,「売れる本が良書である」という定義に従うならば,これは紛れもなき名著であるということである。

それでは,私が手にとって読んでみた感想はどうか。率直に言う。

やっぱり野村謙二郎って人は,中身の薄っぺらい単細胞の人だったんだねえ。以上。

確かに本人は至極まじめに書いたのだと思う。しかし,何度読み返しても書いてあることがすーっと右から左に流れていってしまうのだ。そしてどこか腑に落ちないところが,必ずある。そこは,彼が必死に弁明をしているところである。だから,必ずつじつまが合わないところが出てくる。逆説的にいうならば,それを見つけて彼が何を考え何を思って指揮を振るっていたのかということを読み解くことにこの本の価値があると言える。その意味では,それ相応の評価をしてもよい。

しかし,それをさらに裏返して,要は表に返してみるならば,いわゆる「名将論」の系譜に属する書として評価することは,できない。要は全編これ弁明の書である。格好付けてないところだけはよしとせざるを得ないが,それで野村謙二郎を持ち上げることは出来ない。即ちこの本こそ,読者のメディアリテラシィが試される本といっても良さそうだ。

こんなことを書けばネガティヴキャンペーンではないかという向きもありそうだが,決してそんなつもりはない。「野村謙二郎の5年間」をどう読み解くかという第一級の史料であることは間違いない。それをどう評価するかは,読み手によって異なって然るべきということだ。

最後に,私がReviewをつけるならば,星3つといったところだろうか。AmazonのReviewは私にいわせれば過大評価だ。本当にこの本を読んで書いてるのかという疑問を持たざるを得ない。

読む価値はあるとは思うけれども。
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