「超濃厚」とは言えないが:「広島東洋カープ読本」

ここ数年,いわゆる「カープ本」というものが大量に出版されていることは,もはやここで語るまでもあるまい。

私は,そのほとんどの本に実際に手にとって目を通したが,残念ながら,「お買い上げ」に至る本というものは非常に少ない。昨年出版された「広島東洋カープ黄金時代の記憶―CARP LEGENDS 」「カープ投手王国の系譜―広島東洋カープ 」は数少ない例だが,これもあくまで資料的価値を見込んだものである。そして,もうはっきり言ってしまうならば,立ち読みで秒殺に至る粗製濫造本の,なんと多いことか。特に某S元教授のものなど,破り捨ててやりたいくらいである。

話が逸れた。その中でも,文句なしにお勧めできるのは,この1冊である。同旨のムックは例によってベースボールマガジン社から発売されているのだが,その何倍も内容が濃い。インタビューの内容構成もしっかりしているし,なにより「ドラフト検証」とか,「トレード&FA人事考察」とか,データもなかなか筋のいいベクトルである。そしてクライマックスは今や明るいおじさんに姿を変えてしまった「前田智徳の実像に迫る」という2論文に至るが,非常に読み応えがある。凡百の前田本のどこをひっくり返しても出てこない珠玉の論考である。まずカープ本を何か買おうとする向きには,まずこの1冊で十分だ。

で,敢えて残念なところをあげるとすると,やはりカープの低迷の原因に触れられていないところである。まあ,読む人が読めばちゃんと分かる仕組みにはなっているのだが,やはり天下の洋泉社とてそれにズバリと斬り込むわけには行かなかったのだろう。そりゃそうだ。ハジメの不興を買うような内容をカープの協力の下書くことなんて,できるわけがない。即刻出入禁止になってしまう。それが,凡百のカープ本のがカスほども面白くない最大の原因なのであることは,まあ言うだけ野暮だろう。

まあ,「超濃厚」というにはちょっと,と思うが,十分中身の濃い1冊である。Amazonレビューで言うなら星4つは与えられるだろう。

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